明治5年6月22日(1872年7月27日)、西国巡幸中の明治天皇は近代産業の先駆けの地鹿児島に到着された。紡績場では蒸気機関による製糸作業を、大砲製造所では砲弾の製造過程をご視察になり、陶器会社では文禄(ぶんろく)年間(1592~96)に朝鮮から渡来した人々の子孫による薩摩焼の製作をご覧になった。この巡幸は産業と民情視察が目的で、満19歳の天皇はこの巡幸で大いに見聞を広めた。また、政府の欧化主義に反対する島津久光(ひさみつ)の拝謁を受け、労われている。現在、近代工場の建物は島津家の遺品を展示する「尚古集成館」となっている。