明治12年(1879)6月、アメリカ前大統領のグラントが来日した。南北戦争で北軍の総司令官として活躍し、リンカーンの後を継いで第18代大統領に就任、明治5年に岩倉使節団が訪米したときの大統領であった。退任後、ヨーロッパ、インド、中国などを経て来日した。8月10日、浜離宮にて天皇はグラントとお会いになった。数日前、陸軍の操練で同席して以来、二度目である。会談はグラントの希望によって実現し、政治・財政・外交などについて意見が交わされ、日本にとって有益な助言となった。