東京大学卒業式にお出まし
藤島武二
明治45年7月10日(1912年)
東京帝国大学正門 (東京)
侯爵 前田利為
78. 東京帝国大学行幸
明治45年(1912)7月10日、明治天皇は東京帝国大学の卒業式に行幸し、優等卒業生に賞品(銀時計)を下賜された。卒業式に先立ち、天皇は標本古文書陳列室を訪れ、祇園精舎図、無線電話、「花園(はなぞの)天皇宸記(しんき)」、後醍醐(ごだいご)天皇宸翰(しんかん)、「元暦校本(げんりゃくこうほん)万葉集」などをご覧になった。その際、のちに明治神宮造営に深く関わった建築家の伊東忠太(いとうちゅうた)や、『明治天皇御集』の編纂に携わった佐佐木信綱(ささきのぶつな)は、陳列品の説明役を務めている。階段の昇り降りにすら困難を来すほど、天皇のご体調はすぐれなかった。この後まもなく、ご発病になり、最後のお出ましになった。