徳川邸へお出まし
木村武山
明治8年4月4日(1875年)
徳川昭武邸(東京小梅村‐隅田川東岸)
侯爵 徳川圀順
31. 徳川邸行幸
明治8年(1875)4月4日、明治天皇は東京の隅田川沿いの小梅村(現在の墨田区)にあった旧水戸藩下屋敷内の徳川昭武邸に行幸した。2代藩主光圀(みつくに)が開始した『大日本史』の編纂は明治維新の思想的原動力となった水戸学を生み出し、幕末の9代藩主斉昭(なりあき)は藩校「弘道館」を設けて、その普及発展に力を尽くした。こうした背景から、天皇は光圀と斉昭の皇室尊崇の志を称え、昭武に先祖の志を引き継ぐようにとの勅語を賜った。この日、天皇は旧尾張藩主の徳川慶勝(よしかつ)邸にも行幸され、徳川家も皇室のもとで明治日本の発展に力を尽くすことになった。